機動力よりパワー。ロビンソン・カノ率いるマリナーズが改革成功 (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by Getty Images

 ホワイトソックスの勢いのよさは、7回以降の成績にも表れています。チーム全体212得点のうち、4割近い77得点を7回以降に記録しているのです。7回だけに特化すると、リーグ1位タイの38得点。ゲーム終盤の驚異的な粘り強さが、今年のホワイトソックスを象徴していると思います。

 そして残る西地区は、昨シーズン76勝86敗で4位に終わったシアトル・マリナーズを紹介すべきでしょう。今オフにジェリー・ディポートGMが大補強を行なったことで、チームの顔ぶれは一新しました。開幕こそ2勝6敗とつまずいたものの、4月13日以降はメジャー30球団中2位の26勝15敗というハイペースで勝ち星を量産。現在30勝21敗で首位のテキサス・レンジャーズと0.5ゲーム差の西地区2位につけるなど、マリナーズの改革はよい方向に向かっています。

 今シーズンのマリナーズを見て驚いたのは、パワーあふれる攻撃力です。もともとマリナーズというチームは、本拠地セーフコ・フィールドの特性を生かした機動力野球がウリでした。しかし、今シーズンは256得点(ア・リーグ2位)、77本塁打(1位)、長打率.442(2位)と攻撃スタイルが様変わり。その打線の中心人物は、なんといってもロビンソン・カノです。現在15本塁打(ア・リーグ2位タイ)・45打点(2位)をマークし、マリナーズのパワー野球を象徴しています。

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