ロイヤルズを30年ぶりの世界一に導いた「3人のキーパーソン」 (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 そして最後は「投手」について。ロイヤルズはメジャー最高のリリーフ陣を擁していますが、そのなかでも特筆したいのは、今シーズンからクローザーに昇格したウェイド・デービスです。彼はこのポストシーズンで8試合に登板し、10イニング3分の2を投げて被安打6本、フォアボール3個、18奪三振をマーク。メッツ相手に1点も失うことなく、登板機会をすべて成功させて4セーブを挙げました。

 昨年のデービスは中継ぎとしてポストシーズン12試合に登板し、防御率0.63という素晴らしい成績を残しています。しかし、今年はクローザーとして防御率0.00。このポストシーズンでは、イニングをまたいで6個のアウトを奪うという記録を2度もマークしています。これは、2009年にニューヨーク・ヤンキースが世界一になったときのクローザー、マリアノ・リベラが達成して以来のこと。デービスのようなクローザーがいると、短期決戦では間違いなく心強いことでしょう。

 今年のポストシーズン中、アメリカのメディアでは、「リレントレス・ロイヤルズ」という言葉が頻繁に使われていました。その由来となったのは、1976年のシンシナティ・レッズにあります。「ビッグレッドマシーン」の愛称で黄金時代を築いていたレッズが2年連続で世界一に輝いた当時、彼らに付いたあだ名が「リレントレス(情け容赦のない)・レッズ」でした。まさに今年のロイヤルズには、その形容詞がピッタリだということでしょう。

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る