ロイヤルズvs.メッツ。カギは「初回」と「終盤」の攻防にあり! (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 さらにロイヤルズ打線は、積極的なバッティングも大きな魅力だと思います。プレーオフで初球を打ったときの打率は.360。思い切ったプレーが良い結果に結びついています。それを象徴しているのが、1番バッターのアルシデス・エスコバーではないでしょうか。リーグチャンピオンシップシリーズでは第1戦から4試合続けて初回にヒットを放ち、シリーズ打率.478の活躍でMVPに選ばれました。

 メッツの豪腕が三振を奪って抑え込むのか、それともロイヤルズのバッターがそれを打ち崩すのか――。今回のワールドシリーズを見るうえで、このポイントは見逃せません。

 そして、もうひとつの注目ポイントは、両チームの「勝ちパターン」です。これまでのプレーオフを見ていると、メッツは先制して逃げ切るパターンが多く、ロイヤルズは何度も逆転して勝ってきました。

 リーグチャンピオンシップシリーズでメッツは、4試合すべて初回に先制点を挙げて、シカゴ・カブスに一度もリードを許さないまま4連勝しています。初回の得点数を見ると、4試合・合計21得点のうち、初回に奪ったのは9得点。先制することでチームが勢いに乗ったのは間違いないでしょう。

 メッツに勢いをもたらした最大の功労者は、やはりダニエル・マーフィーです。彼はこのプレーオフで最大のヒーローといっても過言ではありません。ポストシーズン9試合で、打率.421・7本塁打・11打点。長打率は10割を超えて1.026。OPS(出塁率+長打率)も1.462と、驚異的な数字を残しています。

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