今季限りのジーターが語った「ヤンキースで戦う重み」 (2ページ目)

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • photo by Getty Images

 メディアに携わる身として、ジーターの言葉は重かった。だが、彼はメディアをけん制しているのではなく、ニューヨークの特性を語ったに過ぎない。事実、ヤンキースに帯同するメディアは常時50人を下らないが、少ない球団だと3人ということもある。ニューヨーク、そしてヤンキースはやはり特別な球団であるとジーターの言葉から実感した。

 そして、その特別な球団で20年間プレイし、世界一に輝くこと5回、キャプテン在任12シーズンは歴代最長である。ジーターにとって、キャプテンとは何だったのだろうか。これがもうひとつの質問だ。するとジーターはこう語った。

「私はこの球団がどれだけの歴史と伝統を持っているか知っている。その長い歴史の中でキャプテンに任命された選手は決して多くはない(ジーターが11代目)。2003年にキャプテンに任命されて以来、自分に何ができるのかをいつも考えてきた。チームメイト、球団、ファン、そしてメディアに対してもしっかり向き合ってきたつもりだ。スタインブレナー(前ヤンキース・オーナー/故人)から任命されるまでは、キャプテンになることなんて夢にも思わなかったが、今は12年もの間、チームの代表としての立場をまっとうできたことに誇りを持っている。このチームでキャプテンを務めたことは私の誇りだ」

 言うまでもなく、ジーターの現役生活は刻々と終わりに近づいている。現地8月19日の時点で首位オリオールズとは8.5ゲーム差。ジーターに有終の美を飾ってほしいと思うのは万人の願いでもあると思うのだが......。

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