ブルージェイズ川﨑宗則、悲願のプレイオフ出場なるか?
2014年のレギュラーシーズンも残り1ヶ月半を切り、プレイオフ進出をかけた戦いはますます加熱してきました。特に日本人選手が数多く所属しているア・リーグは、俄然注目度が高まっています。
トロント・ブルージェイズで奮闘している川﨑宗則 現地8月18日現在、ア・リーグ東地区ではボルチモア・オリオールズ(71勝52敗)が2位のニューヨーク・ヤンキース(63勝59敗)を7.5ゲーム差、3位のトロント・ブルージェイズ(64勝61敗)を8ゲーム差で引き離し、中地区は1位のカンザスシティ・ロイヤルズ(69勝55敗)と2位のデトロイト・タイガース(66勝56敗)が2ゲーム差、そして西地区は1位のロサンゼルス・エンゼルス(73勝50敗)と2位のオークランド・アスレチックス(73勝51敗)が0.5ゲーム差で首位の座を争い、3位のシアトル・マリナーズ(67勝57敗)が6.5ゲーム差で追いかけている展開です。現実的に見て、プレイオフに進出できるのは、上記の計8チームに絞られたと言っていいでしょう。
まず我々日本人にとって、イチロー選手、黒田博樹投手、そして田中将大投手が在籍する名門ヤンキースの結果は気になるところです。7月に戦力補強したにもかかわらず、8月に入ってもヤンキースは8勝7敗と苦戦しています。よほどの快進撃がない限り、地区優勝は厳しいと言わざるを得ません。しかし、チームにとって嬉しい話題もあります。8月13日、先発のマイケル・ピネダがついに復帰しました。さらに、9月には田中投手もカムバックしてきます。レギュラーシーズン残り1ヶ月半ですが、ようやく戦力が整ってきました。
プレイオフ進出のカギを握っているのは、ベテランの黒田投手ではないでしょうか。というのも、ヤンキース移籍後の黒田投手は、9月に入ると2年続けて調子を落とているのです。2012年は防御率5.22、2013年も防御率5.70と奮っていません。8月17日のタンパベイ・レイズ戦では4安打2失点の好投で8勝目(8敗・防御率3.97)を飾っただけに、これからの黒田投手の踏ん張りに期待しています。
一方、ヤンキースの打撃面は、内野兼外野手のマーティン・プラドをアリゾナ・ダイヤモンドバックスから獲得したことで、イチロー選手は再び控えとなりました。しかし、ヤンキースが勝利を重ねていくためには、代打や守備要員としてイチロー選手の存在はますます重要となってくるでしょう。シーズン終盤の緊迫したゲーム展開で、きっと大きな仕事をやってのけてくれると思います。
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著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)