2014年オールスター。ダルビッシュの「奪三振ショー」に注目! (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by Getty Images

 もし、先発に選ばれなくても、ダルビッシュ投手とナ・リーグの並み居るスラッガーとの対決は見ものです。ダルビッシュ投手といえば「奪三振」が代名詞。どれだけ三振を奪えるのか。近年では1999年、先発したペドロ・マルティネス(当時ボストン・レッドソックス)の「4連続奪三振」が有名で、オールスター記録は、1934年のカール・ハッベル(当時ニューヨーク・ジャイアンツ)と、1986年のフェルナンド・バレンズエラ(当時ロサンゼルス・ドジャース)がマークした「5連続奪三振」です。ダルビッシュ投手にはそれらの大記録に挑んでもらいたいですね。2013年ア・リーグ奪三振王の快投に期待しています。

 一方、上原投手には、ぜひとも最終回で登板してもらいたいです。もし、オールスターでセーブを挙げることができれば、2001年の佐々木主浩(当時シアトル・マリナーズ)以来13年ぶりとなります。ダルビッシュ投手が勝利投手となって、上原投手がセーブを記録すれば、我々日本人にとって最高のオールスターとなるでしょう。

 もちろん、オールスターゲームは日本人選手だけが見どころではありません。両リーグから選ばれた選手たちは、いずれも超一流プレイヤーばかり。その中でも近年、オールスターの選出メンバーで目に止まるのは、キューバ勢の台頭でしょう。今年のリストを見てみると、外国人選手は総勢24名。最も多い外国籍は、ファン最多得票で選ばれたホセ・バティスタ(トロント・ブルージェイズ)などを生んだドミニカ共和国(9人)、2番目は2012年に三冠王となったミゲル・カブレラの出身国であるベネズエラ(6人)でした。そして、3番目に多くの選手を輩出した国がキューバ(5人)です。

 今回選手された5人のキューバ人選手は、ファン投票でナ・リーグ外野手3位の座を獲得したヤシエル・プイグ(外野手/ロサンゼルス・ドジャース)、ルーキーながらア・リーグで本塁打王争いを演じているホセ・アブレイユ(一塁手/シカゴ・ホワイトソックス)、高い守備力が魅力のアレクセイ・ラミレス(遊撃手/シカゴ・ホワイトソックス)、リーグ屈指の長打力を誇るヨエニス・セスペデス(外野手/オークランド・アスレチックス)、そして人類最速の球を投げる豪腕アロルディス・チャップマン(投手/シンシナティ・レッズ)です。

 キューバの台頭は、近年のオールスターの新たな傾向だと思います。特に今回選ばれた4人のバッターは、打撃だけでなく走塁や守備でも観客を魅了します。ドジャースのプイグは隙あらば次のベースを狙おうとする積極的な走塁でファンを虜(とりこ)にしていますし、アスレチックスでレフトを守るセスペデスは今年の前半戦でも歴史に残るようなバックホームを見せていました。公式戦でダルビッシュ投手とプイグの対戦は一度もないので、もしオールスターで実現するなら必見です。

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