「MVP級の活躍」。上原浩治&田澤純一が絶賛される本当の理由 (3ページ目)

  • 佐藤直子●文 text by Sato Naoko
  • photo by AP/AFLO

 かつてアスレチックスやレッドソックスで活躍した殿堂入り投手のデニス・エカーズリー氏は、地元メディアのインタビューで上原を「マジカル(魔法使いのように素晴らしい)」とベタ褒めした。エカーズリー氏が高く評価するのが、特別速いわけではないフォーシームで空振りを奪う点だ。

「あんな風に空振りを奪うピッチャーなんてみたことがない。上原が登場した時点で試合終了だ。そこでおしまい。貴重な存在だ」

 ニエベス投手コーチは、独特な表現で上原の仕事の早さを称賛した。

「とにかく仕事が早い! できる男の証拠だな。たまに、コウジの体にはタイマーが仕掛けられているんじゃないかと思うことがあるんだ。制限時間は2分。この2分間で仕事を終わらせるぞ! みたいにね(笑)。コウジが登場しただけで、心に平和が訪れる」

 タイマーが仕掛けられた平和の使者と言えば、まさにウルトラマン。ここ数年は頼れる守護神不在に泣かされたボストン・ファンは、新ヒーローの誕生を大歓迎。本拠地フェンウェイパークで、上原の入場テーマが流れた時の盛り上がりは、一見の価値がある。プレイオフでも、この入場テーマがボストンの空にこだまする可能性は高い。混戦続く東地区。ここからの戦いぶりが大きく物を言いそうだ。

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