イチローもまだ若造?メジャーが誇る「伝説のオーバー40」たち

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

39歳になっても名門ニューヨーク・ヤンキースでスタメンをはるイチロー39歳になっても名門ニューヨーク・ヤンキースでスタメンをはるイチロー 今シーズンの開幕戦に7番レフトで先発し、8試合目には第1号ホームランを放ったニューヨーク・ヤンキースのイチロー選手。今年10月で40歳になりますが、いつも変わらぬ全力プレイでニューヨークのファンを魅了しています。年齢とともにパワーやスピードが衰えると思いきや、メジャーリーグの歴史を紐(ひも)解けば、40歳を過ぎてもトップ選手として活躍したスターは幾人もいます。というわけで今回は、歴史に名を残した偉大な「オーバー40」のバッターたちを紹介したいと思います。

 まず、高齢になっても活躍し続けたバッターを取り上げる上で、ピート・ローズを外すことはできないでしょう。1981年、当時フィラデルフィア・フィリーズでプレイしていた40歳のローズは、ナ・リーグ最多となる140安打を記録しました。その年は長期のストライキにより、夏の約2ヵ月間、レギュラーシーズンが中断。しかしローズは、107試合しかプレイできなかったにもかかわらず、140安打をマークしたのです。162試合に換算すると、約212本ペース。40歳にして、これは驚異的な数字だと思います。

 さらに翌年、41歳になってもローズは衰えを見せず、全162試合に出場し、1試合1本以上のペースで172安打を放ちました。人一倍、体調管理に気を遣いながら、「チャーリー・ハッスル」の異名どおり常に全力でプレイするローズらしい記録だと思います。このような野球に対する姿勢は、イチロー選手と非常に似ているのではないでしょうか。ストイックなローズは、ベテランになっても早い時間から球場に来て、黙々と練習をしていました。40代前半の時期は、当時タイ・カッブの持つ通算4191本という歴代1位の安打記録を塗り替えるため、とにかく1年でも長くプレイしようと努力している過程でしょう。そして最終的に45歳までプレイしたローズは、4256安打という大記録をメジャーリーグの歴史に刻むこととなったのです。

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