【MLB】マリナーズ対アスレチックスは、イチローの第1打席に注目! (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

 また、日本人選手以外にも、マリナーズには魅力的な選手が大勢います。まずは、セカンドのダスティン・アクリーに注目してください。2009年ドラフト全体2位で入団し、昨年6月にメジャーデビューすると、いきなりチームMVPに輝いた選手です。今年のオープン戦でも打率.308を記録し、ヒット11本のうち、なんと9本が長打。脅威の2番バッターです。二塁打や三塁打も多いので、得点圏にランナーを置いたシチュエーションで、イチロー選手の出番となるシーンが多く見られるかもしれません。

 さらにイチロー選手の後ろを打つ4番のジャスティン・スモークも、ぜひチェックしてください。2010年7月にクリフ・リー(フィラデルフィア・フィリーズ)とのトレードで、テキサス・レンジャーズから獲得した強打のスイッチヒッターです。昨年はケガや父の病死など、苦難続きで打率.234と低迷しました。しかし、今年のオープン戦では打率.393をマークし、アメリカの雑誌では『今年メジャーでブレイクする選手ナンバー1』と報じられ、今シーズン限りでの引退を発表したチッパー・ジョーンズ(アトランタ・ブレーブス)の再来と言われています。

 そして5番候補には、今年1月にヤンキースから獲得した将来のスター候補、ヘスス・モンテロも控えています。オープン戦でも打率.306・2本塁打・11打点と絶好調で、今年のア・リーグ新人王候補です。このように、イチロー選手の前後の選手も非常に魅力的なので、マリナーズの上位打線は見どころ満載です。

 一方、2008年以来、2度目の来日となったアスレチックスは、前回とガラッと顔ぶれが変わりました。4年前に来日した主なメンバーで今回も残っているのは、ハワイ生まれの日系3世、カート・スズキだけです。そのなかでアスレチックス最大の注目選手と言えば、2009年WBCキューバ代表のヨエニス・セスペデスでしょう。昨年11月に亡命し、激しい争奪戦の末、今年2月にアスレチックスと4年総額3600万ドル(約28億円)で契約しました。そして3月10日、オープン戦に初出場すると、デビュー戦でいきなりホームランを放ち、大物の片鱗をのぞかせたのです。走・攻・守すべてにおいて高いレベルを誇る『ファイブツール・プレイヤー』のセスペデスは、すべてが見どころと言っても過言ではありません。日本でどんな華々しいデビューを見せてくれるのか、非常に楽しみです。

 他にも、マリナーズの開幕投手を務めるフェリックス・ヘルナンデスの豪腕ぶりも非常に気になるなど、見どころを挙げるとキリがありません。4年ぶりのメジャー開幕戦は、きっと盛り上がることでしょう。ぜひ、日本での開幕戦でメジャーリーグの魅力を堪能してください。

プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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