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【夏の甲子園2026】「プロに行きたいなんて言えない」 横浜・池田聖摩を苦しめた"エリートの重圧" 原点回帰で取り戻した本来の姿 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Takahiro Kikuchi

 春と比べて、池田のプレーには明らかに攻撃性が増していた。その変化は走塁面にも顕著に表れていた。

 テレビ中継ではわかりにくい部分だが、出塁後の池田は常に投手の視界のなかで撹乱するアクションを見せている。リードの幅を小刻みに変えたり、投手がモーションを起こす直前にスタートを切るそぶりを見せたり。投手からすると、煩わしい挙動のはずだ。池田は「春はあまりうまくできなかったんですけど、練習してきました」と胸を張る。

【目指すはチームを勝たせる遊撃手】

 もともとの持ち味である守備でも、見せ場をつくった。沖縄尚学戦の9回裏、先頭打者の秋江駿斗(3年)が放った三遊間への鋭いゴロに、池田が反応する。難しいバウンドに、斜め後ろに下がりながら逆シングルで対応。見事にすくい捕ると、遠投120メートルの強肩を生かして一塁に送球。超高校級の美技でスタンドを沸かせた。

 池田は「(バウンドに対して)ボールの下から入れたのでよかったです」と振り返りつつ、こんな強い自負を滲ませた。

「横浜高校のショートなら、普通にやらないといけないプレーです」

 小学2年時に招待試合を観戦したことを機に、池田は熱烈な横浜高校ファンになった。過去の試合映像も熱心にチェックしている。

 横浜高校の歴代遊撃手に追いついてきた実感はあるのか。そう尋ねると、池田は強い口調で「まったくないです」と答えた。

「横浜に入学してから、緒方漣さん(國學院大3年)や大石竜太さん(2008年夏の甲子園で活躍したOB)といった名ショートの背中を追ってきました。でも、今日の試合でもエラーが出ましたし、チームを引っ張って、勝たせる面でまだまだ物足りないです」

 自己評価は厳しい池田だが、「勝たせる遊撃手」という意味では、少しずつ自信がついてきたのではないか。そう尋ねると、池田は神妙な表情でこう答えた。

「秋も春も同じように負けて、悔しい思いをして、苦しい練習をしてきました。正直言って、今もまだ織田頼みのところはあるけど、少しずつ野手が援護できる試合が増えてきました。その意味では、少しは力がついてきたのかなと思います」

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