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【ドラフト】強打自慢の「七人の侍」に注目 バット一本でプロ野球のDH時代を生き抜く!  (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

栃木ゴールデンブレーブスの長距離砲・田端真陽ダッタ photo by Kikuchi Takahiro栃木ゴールデンブレーブスの長距離砲・田端真陽ダッタ photo by Kikuchi Takahiroこの記事に関連する写真を見る 国内独立リーグからは、大坪梓恩(石川ミリオンスターズ)と田端真陽ダッタ(登録名・ダッタ/栃木ゴールデンブレーブス)の怪力自慢の右打者を紹介しよう。

 大坪は身長190センチ、体重108キロと圧巻の巨躯で、打席に入ると一際大きく見える。インパクトの瞬間、打球がピンポン玉のように弾ける打撃練習を見れば、誰もが衝撃を受けるはずだ。まだ粗さは目立つものの、メジャー級のスケールと言っても過言ではない。

 日本海リーグでは今季40試合に出場し、打率.296、8本塁打(リーグ1位)、32打点をマークした。通信制高校、スポーツ専門学校を経て、独立リーグに流れてきた変わり種。2004年2月生まれの21歳と年齢も若く、可能性は青天井に広がる。プロの環境で本格的に鍛えれば、とてつもない化け方をしても不思議ではない。

 ダッタはインド出身の父を持ち、東海大山形高でも右のパワーヒッターとして注目された。アメリカのオーロニ大を経て、今季からBCリーグ・栃木に入団。今季は53試合の出場で打率.308、4本塁打、48打点を記録した。9月末に開催された独立リーグ日本一を決めるグランドチャンピオンシップでは、2打席連続本塁打をマーク。その破壊力のあるインパクトは、NPBの世界でも武器になるだろう。

 最後にひとつ、大きな「誤解」を解いておきたい。一部メディアによると、セ・リーグ球団が近未来のDH候補として小田康一郎(青山学院大)をリストアップしたという。だが、小田を「打撃専門」ととらえてしまうと、本質を見落とすことになりかねない。

 小田の打撃力がアマ球界屈指なのは間違いない。その一方で、守備も走塁も一流になる可能性を秘めている。現在はチームで一塁を守っているものの、これは守備力を評価されてのこと。プロでも、遊撃以外のポジションをこなせる素養を十分に備えている。本題からはそれるが、小田の「打撃以外」にもぜひ注目してもらいたい。

著者プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

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