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ヒロド歩美が見てきた「甲子園の涙と笑顔」の舞台裏 勝者も敗者も控え部員も取材するわけ (2ページ目)

  • 堤 美佳子●構成 text by Tsutsumi Mikako
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【応援やサポートに回る仲間たちに注目】

 私が伝えたいのは、グラウンドに立っている選手たちの物語だけではありません。アルプススタンドで声を枯らす控え部員や、裏方でチームを支える生徒たちにも、同じように熱いドラマがあります。

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 昨年、滋賀学園(滋賀)のダンス応援がすごく話題になりました。キレキレのダンスがSNSでバズった一方で、心ない声も彼らの元に届いていたと聞きます。(声を詰まらせながら)それが、本当に悲しくて......。

 応援団長の荒井浩志君をはじめ、彼らはチームの全体練習が終わったあとに、自分たちで残ってダンスの練習をしていたんです。小学校、中学校ではエースで4番だったような選手たちが、強豪の滋賀学園に入って背番号をもらえず、それでもチームのためにとサポートに回っている。その背景を知らずにどうしてそんな言葉が言えるんだろう、と。

 昨年、学校で応援団のふたりに話を聞きました。荒井君は、「自分たちの応援で少しでも滋賀学園の名前が有名になってほしい」「選手たちが100%の力を出すだけじゃなくて、自分たちの応援で120%の力を出させたい」と、本当に素敵な言葉で思いを語ってくれました。ネガティブな声も目にしていたそうですが、「そこでつまずいている場合じゃない」と前を向いていた。インタビュー前後は高校生らしいくだけた表情も見せてくれたのですが、そのインタビューの時は真剣な表情で答えてくれたのも印象的でした。

 だからこそ、甲子園を見る時は、グラウンドだけでなく、スタンドやボールパーソンをしている高校生たちにも目を向けてほしい。彼らも同じように、2年半野球に打ち込んできた仲間だということを想像してほしいんです。

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