岡本和真が高校時代に抱いた夢と憧れ続けたふたりの強打者「世界の人にも名前を知ってもらえるバッターに」 (3ページ目)
その際、岡本に「将来の話として、次のどの数字に惹かれるか?」と質問した。その数字とは「3割、20本塁打」「2割8分、30本塁打」「2割5分、40本塁打」の3つ。すると岡本は「3割、20本塁打です」と即答して、こう続けた。
「1番は打率を残したいんです。それがあってのホームラン。小さい時から、高卒でプロに入って、それも活躍して一流選手になると思ってやってきました。だから30本も打ちたいですけど、理想は3割とホームラン20本台をコンスタントに打って、長く活躍できる選手なんです」
その時点で、高校生ナンバーワンスラッガーの評価を受け、ドラフト1位候補だったが、「20本塁打をコンスタントに」という目標設定に、岡本らしさを感じたものだ。そこで「3割、40本塁打を目指そうとは思わない?」と聞くと、岡本はこう答えた。
「(入団して)最初の3年は自分をアピールしないといけないので、三振かホームランぐらいのフルスイングをして、自分の持っているよさを出す。レギュラーになれたら、3割とコンスタントに20本塁打以上を打てるように。そこまでいけたら、またそのあとですね」
【憧れはメジャー三冠王の強打者】
そう言えば、高校時代、中村のほかにもうひとり岡本がよく口にする打者がいた。MLBが誇るスラッガーのミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガースほか)だ。
メジャー通算511本塁打、1881打点を挙げ、打率も.306。首位打者4回、本塁打王2回、打点王2回を獲得し、2012年には三冠王にも輝いたメジャー史に名を刻んだ強打者だ。
ある時、岡本に野球人としての展望を聞くと、こんな答えが返ってきた。
「すぐに消えるバッターじゃなく、日本、そして世界の人にも名前を知ってもらえるバッターになりたいです」
突然、「世界の人にも......」と言うのでその理由を聞くと、岡本はこう言った。
「小さい頃から将来の目標はプロ野球選手で、夢はメジャーリーガー。今もそこは変わらず持っているんです。やっぱり野球の本場ですから、そこでやってみたい思いはあります。ピッチャーもすごいでしょうけど、そこで打てる選手になりたいんです」
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