【高校野球】九州国際大付の「スーパー1年生」岩見輝晟が40校の争奪戦の末、地元・福岡に残った理由 (3ページ目)
まだまだ球速が出るということは、岩見自身が一番自覚している。中学3年の時点で体重は78キロあったが、初めて経験する寮生活などの影響もあり、73キロまで落ちた。そのなかで最速を3キロも更新したところに、大型左腕の非凡さを感じる。現在は高校生活にも慣れ、寮ではバスタイムでリラックスする余裕も出てきた。
「身長も190センチはいくかもしれないので、体重も83キロぐらいにして、高校を卒業するまでに150キロに到達したいです。まずはこの夏、投げることができたら140キロを出したいです。体を大きくしたらもっと球も速くなるし、打球も飛ぶようになると思うので、まずはしっかりご飯を食べることが目標です(笑)」
投手用グラブの手の平部分には「感謝」の刺繍文字が躍る。両親はもちろん、自分の成長を陰から支えてくれる指導者、そして1年生から試合に出してもらうことへの感謝を忘れず、今後も二刀流でさらなる高みを見据えていく。
「この夏は3年生がラストの大会なので、投打の両方で活躍して、自分で勝つぐらいの気持ちでやっていきたいです。そして甲子園に行って優勝して、将来的には高校侍ジャパンにも選ばれて、ドラ1でプロに入り、メジャーに行くのが夢です」
プロで参考とする投手や打者、目標とする選手は「特にいません」と即答する。自分が子どもたちから目指される「オンリーワン」の存在となるべく、長き戦いの幕は開いたばかりだ。
著者プロフィール
内田勝治 (うちだ・かつはる)
1979年9月10日、福岡県生まれ。東筑高校で96年夏の甲子園出場。立教大学では00年秋の東京六大学野球リーグ打撃ランク3位。スポーツニッポン新聞社でプロ野球担当記者(横浜、西武など)や整理記者を務めたのち独立。株式会社ウィンヒットを設立し、執筆業やスポーツウェブサイト運営、スポーツビジネス全般を行なう
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