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【高校野球】九州国際大付の「スーパー1年生」岩見輝晟が40校の争奪戦の末、地元・福岡に残った理由 (2ページ目)

  • 内田勝治●文 text by Uchida Katsuharu

 入学までに、プロ野球選手がネクストバッターズサークルなどでつけるバットウエイトを使用し、高めを振り抜く意識で素振りを繰り返したところ、飛距離が飛躍的にアップ。今春の北九州市長杯では背番号19をつけ、準々決勝の折尾戦で先制本塁打を放つなど、3安打5打点の大活躍でチームの優勝に貢献した。

「バッティングはこの春から自分でもよくなったなという感じです。あまり引っ張りすぎないというところを意識しています」

【体重5キロ減でも球速3キロアップ】

 楽天、ヤクルトでプロを経験している就任2年目の楠城祐介監督も、その才能に目を丸くする。

「持っているものは本当にすばらしいです。投球がいいのは当然わかっていましたが、打つほうはそんなに目立った選手ではありませんでした。線が細いので、体の強化のために外野をやらせようと思っただけなのですが、北九州市長杯であれよあれよという間に打ってしまいました(笑)。パワーはないんですが、技術が高いので、打球が遠くに飛ぶんです。自分らの思いとは裏腹に、こんなにも早く注目されるとは思ってもいなかったです」

 夏の大会を前に通算3本塁打をマークした打撃も目を見張るものがあるが、今後は投手としてもさらなる注目を浴びることが予想される。下半身が開く悪癖を修正したところ、最速は138キロまでアップ。夏の大会前の練習試合では完封勝利も経験するなど、1年生ながら9回を投げきる完投能力も備わっている。楠城監督が続ける。

「(今春選抜出場の)広島商との練習試合でも途中から投げて、ノーヒットに抑えました。昨年までのエースだった田端竜也(現・青山学院大)の1年の頃と比べると、岩見のほうが完成度は高いです。現状で138キロ出ているので、3年生になったら、140キロ台中盤から後半まで出るんじゃないでしょうか。この夏も投手で起用する可能性はもちろんあります」

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