【高校野球】「自分たちは強いと思っていません」 選抜王者・横浜高が全員野球で歩む再出発の夏 (2ページ目)
「毎年のことですが、夏の暑さはとにかく厳しい。どのチームも継投がカギになるでしょう。投手は(エースの)奥村(頼人)だけではありません。キーマンはたくさんいます。山脇悠陽、片山大輔(ともに3年)、織田翔希、前田一葵(ともに2年)。
さらに、野手からマウンドに上がれる池田聖摩、小野舜友(ともに2年)、山本正太郎(3年)もいます。また、将来を嘱望される1年生左腕の小林鉄三郎、ショートの田島陽翔も軽快な守備を見せてくれていますし、今後が楽しみです」
【ケガで離脱の主力が続々復帰】
ケガをしていた主力たちが復帰した6月末、横浜栄との練習試合では、プロ注目の本多凌から阿部が打った瞬間それとわかる強烈な本塁打をライトに放った。
その翌日には強打の浦和学院と対戦し、織田が8回2/3を投げて1失点、12奪三振の快投を披露。夏に向けて大きく期待が膨らんだ。しかし、織田がマウンド降りたあと、後続が打ち込まれ大量失点。3点あったリードを守れず、4対7で逆転負けを喫した。それでも選抜優勝の立役者となった投打の中心選手が戻り、準備は万端。
村田監督は言う。
「一昨年、昨年と2年続けて(神奈川大会)決勝で負けたからといって、『借りを返す』という気持ちはまったくありません。とにかく目指すのは甲子園。そのために、まずは神奈川の舞台でしっかり結果を出さなければなりません。神奈川を勝ち抜くために、何をすべきかを追求したいと思います。
これまでなら絶対的エースが何イニングもひとりで投げて、疲れても投げ続けるのが当たり前でした。しかし、今はそのやり方では投手が壊れています。だからこそ、カウントの途中でもスパッと交代する。一人ひとり球質もスピードも違うので、使い方次第です。"全員野球"を掲げている我々の野球は、このやり方がピッタリだと思っています。うちにはそういう選手がたくさんいるので、頑張ってほしいですね」
松坂大輔(元西武ほか)らを擁して春夏連覇を達成した1998年以来の快挙に注目が集まるが、その前に全国屈指の激戦区・神奈川を勝ち抜かなければならない。はたしてこの夏、横浜はどんなドラマを見せてくれるのだろうか。
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