2025年のドラフト戦線の主役となるか 東洋大・島田舜也が目指す究極の感覚とは? (2ページ目)
【大学日本代表候補合宿での挫折】
島田にとって転機になったのは、今年6月に招集された大学日本代表候補選考合宿である。島田は代表候補同士の紅白戦に登板したが、2イニングを投げて被安打6と打ち込まれた。登板後、島田はこんな感想を口にしている。
「球速だけじゃダメだし、コントロールがアバウトすぎても打たれる。あとは組み立てもうまくできなければ打たれるとわかりました。打たれたのは悔しいけど、全然ダメだとは思いません。これくらいが今の実力だなと感じています」
代表選考から漏れた島田だったが、一方で大きな出会いもあった。合宿中に圧倒的なパフォーマンスを見せた、中村優斗(愛知工業大→ヤクルト1位)と交流できたのだ。
「中村さんを見て、『すごいな、ああいう球を投げたいな』と思って、『どんなトレーニングをやっているんですか?』って聞いてみたんです」
最速160キロを計測する中村から学ぶなかで、動作の形を大切にする今のスタイルに行き着いた。
元来、島田は「鈍感なタイプ」だという。秋になるにつれ、島田は指導者たちからこんな声をかけられるようになる。
「成長してるの、わかんないの?」
投手陣を指導する乾真大コーチ(元・日本ハムほか)とキャッチボールをした際には、「球の勢い、怖さが春とは違うよ」と言われた。チーム内の打者からは「ボールの伸びが全然違う」という反応が返ってきた。ボールの回転数(rpm)を計測すると、それまで2000回転前後だったものが2300〜2400回転まで増えていた。ようやく島田は自身の成長を実感する。
「体の形も変わってきました。今まで重い重量を上げるトレーニングをしていた時は、ボン、ボン、ボンと筋肉がふくらんでいる感じでしたけど、今は中心から末端にかけてスラーッとなめらかになって。無駄な筋肉がなくなったような気がします」
【成長の実感と2025年の抱負】
11月30日から大学日本代表候補強化合宿に招集され、シート打撃では最速150キロをマーク。打者6人と対戦して被安打1、奪三振2と、まずまずの内容を見せた。
2 / 3