2023年ドラフトの目玉となるか。「広陵のボンズ」真鍋慧は伝説の先輩を超える実力と存在感 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 1年前の時点で、中井監督は広陵OBでタイプの近い丸子達也(元JR東日本)と比較してこんなことを語っている。

「丸子はすばらしい選手ですが、真鍋のほうが飛距離はありますし、引っ張り中心だった丸子に比べて真鍋は広範囲にホームランが打てます。それと、真鍋のほうが足は速いですね」

 丸子とてタイミングが合わずにプロ入りは実現しなかったものの、アマ屈指のスラッガーとして君臨した強打者だ。高校時代には通算46本塁打を放ち、あまりにも飛距離がずば抜けていたためグラウンドのネットを増設。通称「丸子ネット」の伝説を持っている。そんな先輩を超える実力と存在感を真鍋は備えつつある。

 1年後のドラフト戦線に向けても、希望はふくらむ。来年は真鍋だけでなく、前出の佐々木(花巻東)や佐倉侠史朗(九州国際大付)のように右投左打の高校生スラッガーが目立っている。彼らのつばぜり合いは2023年高校野球界の大きな見どころになるだろう。

 打球角度を得た真鍋は「鬼に金棒」となるのか。少なくとも神宮球場であの放物線を目撃した者は、真鍋慧という打者に夢を見たはずだ。

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