ドラフト候補の絶対的エースに「苛立ちを表情に出すなよ!」。センバツ以降、勝てない大島高校ナインに起きた意識改革 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 5月開催のNHK旗争奪鹿児島県選抜大会も初戦で鹿児島高に敗れ、2022年に入って公式戦で勝てない状況は続いている。それでも、主将の武田は「少しずつチームは変わってきています」と前を向く。

 塗木監督は選手たちを前に繰り返し伝えていることがある。

「最後は3年生の盛り上がり、テンションだよと。県内上位校の試合を見ても、テンションで押されてヒットが続くシーンがよくあります。成熟しきったチームは(高校野球では)あまりないだけに、最後はテンションで勝てる試合を勝ちきるしかありません」

 チーム全体が集大成の夏へと気持ちを高ぶらせるなか、深い悩みの渦中にいる選手がいた。甲子園で手痛いミスを犯した、外野手の青木蓮である。

(つづく)

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