怪物・佐々木麟太郎だけじゃない。神宮大会で見逃せない2022年のアマチュア球界を賑わせる大学・高校の逸材たち (2ページ目)

  • 菊地高弘●文・写真 text & photo by Kikuchi Takahiro

九州国際大付の強肩捕手・野田海人九州国際大付の強肩捕手・野田海人この記事に関連する写真を見る 松尾は今夏の甲子園でも名門のレギュラー捕手を任され、近江戦ではバックスクリーンに本塁打を放り込んでいる。1年秋までは遊撃手としてプレーし、内野手としてもプロを狙えるだけの資質の持ち主だけにフットワークを使える点が魅力だ。

 海老根は千葉・京葉ボーイズ時代から「怪物」と評判だった大器。182センチ、85キロの大きな体に、センターからのエネルギッシュなスローイングも魅力がある。打撃面は精度には課題を残すものの、ツボにはまった時の打球は一見の価値がある。

 タレントの質なら九州国際大付も負けていない。とくに正捕手の野田海人の肩はプロスカウトも認める一芸。174センチ、75キロと体格的には際立つものはないものの、試合前のシートノックの時点で相手ベンチに盗塁をあきらめさせる「野田キャノン」は必見だ。

 前述の佐倉は1年生離れしたパワーと、派手なアクションの打撃フォームで場内を沸かせる。さらに1番・センターの黒田義信は運動能力の高さと高い打撃センスが光り、九州大会では3三塁打、1本塁打など大暴れ。わずか4試合での数字ではあるが、OPSは驚異の2.008を記録した。

 ほかにも広陵の主砲で中国大会決勝戦でも本塁打を放った内海優太、明秀学園日立の強力打線の核である石川ケニー、広大な守備範囲と高い出塁率を誇る國學院久我山のリードオフマン・齋藤誠賢にも注目したい。

 投手では、今秋の急成長で株を上げた森山陽一朗(広陵)が話題になりそうだ。真上から投げ下ろす角度が魅力で、最速143キロのストレートはまだまだ速くなりそう。中国大会では4試合の登板で防御率0.65と安定感を見せた。

 中学時代に侍ジャパンU-15代表で活躍した上加世田頼希(うえかせだ・らいき/敦賀気比)も楽しみな右腕。馬力を生かした打撃も見どころ十分で、投打に目立つ存在になるだろう。

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