捕手→投手へわずか3年で148キロ。プロ注目・神戸弘陵のエースは夏の甲子園へチームを導けるか (3ページ目)

  • 沢井史●文・写真 text & photo by Sawai Fumi

 フォークのほかにも縦横2種類のツーシームもある。とくに縦のツーシームは打者の手元で微妙に動くなど、厄介なボールだ。

「夏に向けて、さらに技術を上げるのは難しいですが、大会になれば強い気持ちを持って投げたいです。気が抜けて甘く入ってしまうのがいちばんダメ。そこは気をつけていきたいです」

 じつは、時沢はチームの中軸を打つ強打者でもあり、スイッチヒッターでもある。もともとは右打者だったが、体のバランスをよくするために左でもバットを振っているうちにマスターしたのだという。時沢の器用さを証明するエピソードだが、今は状況に応じてどちらかの打席に立つ。

 そんな時沢にこの夏、指揮官はフル回転の活躍を期待する。

「間違いなくチームの柱。3年生ですし、この夏は全試合投げ切るくらいの気持ちでやってほしいです」

 32年ぶり夏の甲子園へ、エースの大車輪の活躍が不可欠だ。

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