佐々木朗希2世、和製ランディ・ジョンソン...初の甲子園にかける地方大会注目の10人 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Sankei Visual

 スケールの大きさにかけては、身長191センチの大型右腕・柳川大晟(九州国際大付)も見逃せない。エース右腕の山本大揮とチームの二枚看板を張り、安定感で勝負する山本とは対照的に柳川はポテンシャルに魅力がある。

 最速152キロの快速球はまだムラがあるものの、指にかかったボールの勢いは本物。このボールをコンスタントに続けられれば、ドラフト上位指名も現実味を帯びてくる。

 北海道ナンバーワン右腕の呼び声が高いのは、田中楓基(ふうき/旭川実)だ。いかにも芯に力がありそうな体から放たれる快速球は、最速148キロを計測する。指にかかったストレートは、打者に向かって加速するような体感がある。

 昨秋は北海道大会決勝で木村大成(北海)と投げ合い、0対1で惜敗。甲子園まであと一歩のところで涙をのんだだけに、今夏こそ聖地でアピールしたいところだ。7月1日には早くも旭川地区予選の初戦・旭川明成戦に先発登板し、12奪三振の完封勝利と幸先のいいスタートを切っている。

 東海圏で評判がいい速球派右腕は、寺嶋大希(愛工大名電)。同じ愛知県内のライバルで、今春のセンバツでベスト4に導いた剛腕・畔柳亨丞(中京大中京)に匹敵する好素材だ。

 しなやかなスリークオーターから放たれる最速147キロの快速球と、キレのいいスライダーを武器にする。空振りを奪える球質が魅力で、伸びしろも十分に残されている。

 将来大化けする期待感を抱けるのが、長身右腕の高須大雅(静岡)だ。小学6年時には12球団ジュニアトーナメントの中日ジュニアに選ばれ、優勝に貢献。磐田東中でも知る人ぞ知る未完の大器と注目された。

 高校進学後も身長は伸び続け、現在は191センチ。いかにも細身でパフォーマンスは安定せず、現在の最高球速は144キロと突出したものはない。とはいえ、この投手の場合は現在の姿を論ずるのはあまり意味がない。大人の体を手に入れた時、別人のように変身しても不思議ではない素材型だ。

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