ドラフトまであと1カ月。今年の1位指名候補はこの12人だ! (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Sankei Visual

 高校生は高橋宏斗(中京大中京)の動向がドラフト戦線を大きく左右する。大学志望と言われ、現時点ではプロ志望届を提出していない。今夏は常時150キロ前後の球威ある速球を両コーナーにビシビシと決め、勝負どころでの強さも発揮。高校生の有望投手のなかで頭一つ抜けた感がある。もし志望届を提出すれば、ドラフト戦略を練り直す球団も出てくるだろう。

 高橋がプロ志望届を提出しないと仮定すると、トップ評価が予想されるのは山下舜平大(福岡大大濠)である。

 身長189センチの大型右腕で、ひと冬越えて急成長。角度の利いた150キロ前後の快速球はまだまだ発展途上だ。野球解説者の山本昌さんが「斉藤和巳くん(元ソフトバンク)を彷彿とさせる」と語ったように、底知れぬ潜在能力を感じさせる。スケールを損ねないため、高校野球ではストレートとカーブのみで勝負した姿勢も今後プラスに作用するかもしれない。

 最後に意外性のあるドラフト1位候補として挙げたいのは、元謙太(中京学院大中京)だ。身長186センチと長身ながら身体能力が高く、内蔵されたエンジンが強力な右の内野手である。あくまで素材としての段階ながら、スカウト陣からは「2位以内でないと獲れない」という声も耳にする。

 前述したように、右の強打の内野手は希少な存在だ。「2位では他球団に先に獲られてしまう」と考えた球団が繰り上げて1位指名する可能性は十分にある。

 昨年は小深田大翔(楽天)、佐藤直樹(ソフトバンク)が外れ1位として指名されるサプライズがあったように、野手はドラフト直前になって評価が上がりやすい。

 また、この1カ月の間に急速に評価を高める選手が現れても不思議ではない。ドラフト戦線は会議当日まで目が離せそうにない。

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