2020.07.08

元ダイエー・大越監督の指導で成長。
山口県屈指の右腕がサイズアップ!

  • 井上幸太●文 text by Inoue Kota
  • photo by Inoue Kota

 田尻と藤井は右打者としても注目の存在だ。田尻は昨秋、主に一塁手や外野手で公式戦に出場。オフを経て打力向上が目覚ましく、今夏も野手メインでの起用が濃厚だが、マウンドに上がった際には威力あるストレートを見せてほしい。藤井はエースナンバーを背負った昨秋は1番打者を任された。クセのない鋭いスイングとパンチ力は、いい意味で投手らしくない迫力がある。

 能力あるチームメートと切磋琢磨を続けてきた高川学園の石川巧と宇部鴻城の旗生利玄(はたぶ・りげん)も負けず劣らずの好右腕。石川はお手本のように整ったフォームから、バランスよくストレートと変化球を投げ込む完成度が持ち味。旗生は、高回転のストレートで内角も厳しく攻め切れるリリース感覚が頼もしい。

 右腕では恵まれた体格で投げ下ろす徳山商工の磯崎陸人、開きを我慢できるステップでノビのあるボールを投じる西京の久野光汰にも要注目。また、ここに来て県内で注目度急上昇中の柳井商工の阿部克哉は、今夏大ブレイクの可能性を秘めた大型右腕だ。

 左投手の筆頭格として名前を挙げたいのが、昨秋の中国大会に出場した南陽工の上中正琉(かみなか・せいりゅう)。安定飛行に入るまでの不安定さはあるものの、角度と馬力を感じさせるクロスファイアーは絶品。右の強打者たちをものけぞらせる圧力を感じさせる。

 左の技巧派では、1年秋に宇部鴻城を抑え込んだ萩商工の中村新之介に期待がかかる。球速以上に手元で伸びるギャップと緩急のコンビネーションが心憎い。左腕を複数枚揃える岩国商の主戦格・坂井大空(そら)の天性のしなりも面白い。

 2年生世代の主役候補のひとりである高川学園の河野颯(かわの・はやて)は、同校の好左腕の系譜を引き継ぐ有望株。