大阪桐蔭・森友哉との対決に「ヤバッ」。岸潤一郎は見下し内角を攻めた (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

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「2点まではOKと思っていました。だから、1点取られても苦しくなかった。抑えようというよりは、最終的に勝っていればいいと思うタイプなんで」

 一死後、3番・森に安打と盗塁を許してピンチを迎えるが、森の強引な三盗失敗にも助けられ、なんとか1失点でしのいだ。

「(森は)気持ちが焦っていたんですかね? あれはデカすぎです。あのあと4番打者にポテンヒット(二塁打)を打たれているので、ほんとなら初回に2点入っているんです。そうなっていたら、もっと違う展開になっていたと思います」

 これで冷静さを取り戻した岸は、2回以降の8イニングは5安打無失点(4奪三振)。2回の打席で受けた死球の影響を感じさせず、最後まで大阪桐蔭に主導権を渡さなかった。

 岸の投球で特筆すべきは、四死球をひとつも与えなかったこと。強打の大阪桐蔭打線を相手にすると、警戒しすぎてボールが先行する投手が多いが、この試合の岸は117球を投げてストライクは78球(ファウル、インプレーの打球を含む)。65パーセントを超えれば優秀といわれるストライク率は、68パーセントを記録した。大阪桐蔭打線に対し、いかに逃げなかったかを証明する数字だが、じつはここに岸の好投の秘密がある。

「大阪桐蔭打線にはファウルを打たせないと無理です。ストライクは見送らないので、ファウルじゃないとカウントを稼げない。ストライクゾーンは振ってくるので、厳しいところに投げてファウルで稼ぐ」

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