涌井秀章の元女房役が横浜高の監督に。「練習で泣け、試合で笑え」 (2ページ目)

  • 大友良行●文 text by Ohtomo Yoshiyuki
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 高校卒業後は日体大に進学したが、ケガのため現役は断念。それでも指導者の思いは断ち切れず、渡辺監督に相談すると、「横高のグラウンドに来て勉強しろ」とアドバイスを受け、学業のかたわら、コーチングを学んだ。

 また、神奈川大附属高校にも足を運び、そこで指導者としての喜びを経験した。これまで勝ったことないチームが初めて勝利を手にしたのだ。その時の選手たちの喜ぶ顔を見て、「弱いチームを強くしたい」と考えるようになった。

 猛勉強の末、神奈川県教員試験に合格。大学卒業後、「公立校で勝負したい」と、県立霧が丘高校の野球部長を4年間務め、2013年秋から白山高校の監督に就任した。

 荒地に近いグラウンドを、横高や日体大時代の仲間の手を借りて整備。打撃ケージ、マウンド、照明なども手づくりで完成させた。野球用具も知り合いを通じてスピーディーに準備。公立校としては十分すぎるほどの環境ができあがった。

 練習は厳しく取り組んだが、やんちゃな選手たちには丁寧に時間をかけてコニュニケーションを図った。

 就任時は1、2回戦で簡単に負けるチームだったが、徐々に力をつけていった。2017年秋、2018年春は県大会で16強。2018年夏の北神奈川大会では初の8強入りを果たし、「公立に白山あり」と私学の強豪校からもマークされる存在になった。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る