来田涼斗はタイミングを計れずも凄い男。課題は0.23秒を制すことだ (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 一気にまくし立てる狭間監督に圧倒されつつ、論理的でわかりやすい解説に納得した。「タイミングが計れない」という一面は守備面でも見られた。この日は高いセンターフライに対して落下点に入るのが遅れ、危うくボールを捕り損ねそうになりスタンドがどよめくシーンがあった。狭間監督は「フライを捕るのも危なかったでしょう。そのあたりのタイミングを計れないんですよ」と強調した。

 もちろん、狭間監督が来田に高い次元を求めているからこその要求である。タイミングの取り方は人それぞれに染みついた感覚があるはずで、一朝一夕に進化するものではないだろう。だが、来田が師と仰ぐ狭間監督のもとで今後どれだけの技術を身につけるのか、楽しみは尽きない。

 そして来田は2年生エースの中森俊介とともに、1年後のドラフト会議を賑わせる可能性がある。キーワードは「タイミング」。来田の打席では「0.23秒」を感じながら見てみるといいだろう。

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