2019.07.24

佐々木朗希の「球数問題」に直面する
大船渡・國保監督の判断基準は?

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kikuchi Takahiro

 率直に言って、今夏にこれほど佐々木朗希が見られるとは思ってもみなかった。

 初戦(2回戦)の遠野緑峰戦は先発して2イニング(14対0で5回コールド勝ち)。3回戦の一戸戦も先発して6イニング(10対0で6回コールド勝ち)。4回戦の盛岡第四戦は前述のとおり12イニング(4対2で勝ち)。延長戦もあったとはいえ、序盤の3試合で実に20イニングも投げている。

 大会前に私が立てた予想は、「最初の2試合は大船渡にとって厳しい展開にならない限り佐々木は登板しない」というものだった。とくに4回戦以降は5日間で4試合というハードスケジュールを勝ち抜かなければならない。しかも、佐々木は4月中旬の骨密度の検査をした際に「体が未成熟」という結果が出ており、体に無理な負荷はかけられない。大会序盤は佐々木を温存するのが得策のように思えた。

 だが、その見立てはもろくも崩れた。佐々木の投球を数多く見られる喜びを感じる一方で、「今からこんなに投げて大丈夫か?」という不安も覚えた。

 國保監督の采配を批判するつもりはない。とくに一戸戦は佐々木がノーヒット・ノーランの快投を見せたとはいえ、相手打者のスイングは鋭かった。もし佐々木を温存し、一歩間違えていれば無傷ではすまなかったはずだ。そんな強敵をわずか6イニングで倒し、チームに勢いをもたらしたことは名采配だったと言える。

 だが、球数制限の議論が活発化している昨今、高校野球ファン層の「投げ過ぎ」へのアレルギー反応は日増しに大きくなってきている。佐々木が盛岡第四戦で194球という多くの球数を投げたことに批判の声も上がった。

 ただし、球数が少なければそれでいいのだろうか。仮に球数を抑えたところで投球フォームが悪かったり、常に全力で投げ続けたら故障の原因になりうる。盛岡第四戦の試合後、佐々木の投球について國保監督は「力感なく、脱力して投げていてよかったと思います」と評価している。

 一方、佐々木は登板を回避した久慈戦の試合後、こう語っている。

「ひと冬越して体も強くなりましたし、いろいろと学んでベストなコンディションに持っていく方法を実践して、去年とは疲れ方も違います」