2019.05.24

近畿大の村西はサイドハンドで152キロ。
快速球の秘密は左足にあり

  • 高木遊●文 text by Takagi Yu
  • photo by Takagi Yu

 故・阿久悠氏の自伝的長編小説『瀬戸内少年球団』の舞台となるなど、かねてから野球が盛んな兵庫県・淡路島。これまで西武の中継ぎとして長く活躍する増田達至をはじめ多くのプロ野球選手を輩出してきたが、この島からまたひとり日本球界最高峰の舞台に近づいている選手がいる。

 近畿大4年のサイドハンド右腕・村西良太だ。幼い頃から海釣りとともに野球に熱中。島内にある津名高校に進学し、2年秋に2番手ながら近畿大会に出場。その後、近畿大の田中秀昌監督の目に留まり、復活を目指す名門校の一員となった。

サイドハンドから最速152キロを誇るプロ注目の近畿大・村西良太 大学入学当初は「練習量がこれまでと全然違て……しんどいなと思いました」と苦笑いで振り返るほど、体力は未熟だった。

 ところが必死に練習をこなしていくと、球速は面白いように伸びた。入学当初は最速142キロだったが、あっという間に140キロ台後半をマークすると、今では152キロに到達した。サイドハンドだけに、その価値はさらに高まる。

 サイドスローに転向したのは中学時代だ。所属していたヤングリーグ(全日本少年硬式野球連盟)のアイランドホークスで監督に勧められて転向した。当時、代表兼総監督だった倉本昌康氏(現・淡路ボーイズ顧問)は当時の村西の印象をこのように振り返る。

「彼はちょうどチームができて2年目の子です。華奢で身長も160センチぐらいしかなかったですが、運動神経がよくて、走っても速かったですね。当時は1番や2番を打っていて、チームの得点源でした。外野をやりながら投手もしていて……器用でしたね」

 ちなみに当時、1学年下には2016に智弁学園(奈良)をセンバツ優勝に導き、現在は東洋大のエースとして活躍する村上頌樹がいた。村上は、ヤングリーグの全国大会で春夏準優勝し、連盟の垣根を超えて中学硬式野球の日本一を争うジャイアンツカップにも導いた。そんな村上を「すごいなぁと思って……いつも結果を気にしています」と、村西まるで雲の上の存在であるかのように見ていると話す。