常総学院出身元プロ注目の強打者が32歳でキックボクシングデビュー (2ページ目)

  • 永田遼太郎●文・写真 text&photo by Nagata Ryotaro

 しかし、キックボクシングを始めて今年で3年目を迎えるという。その間、地下格闘技の大会にも数試合出たというから、まったくの素人でもないようだ。

 勝田が言う。

「(最初に地下格闘技に出た時は)サンドバッグとか、何も練習していなくて、いきなりぶっつけ本番で試合に出た感じで......それから2試合目が決まった時は『さすがに練習しなきゃダメだろう』と思って、いまのジム(Bombo Freely)に通わせてもらうことになりました」

 ジムに通い始めた当時の体重は98キロもあったそうだ。そこから3年かけて30キロ近く減量し、現在は70キロ前後まで体を絞ったと話す。ただ勝田の姿を見る限り、不健康そうな感じもなく、無理な減量をした様子はない。むしろ、体調はジムに通い始めた3年前よりもよくなっていると言う。

「本格的に(キックを)やり始めて、『もっと、もっと』と追求していくうちに、いまに至りました。今度がキックボクサーとしてのデビュー戦になるんです」

 4月21にキックボクサーとしてデビュー戦が予定されているという。ちなみに、地下格闘技時代の戦績は4戦3勝(3KO)1分。並み居る喧嘩自慢の男たちから強烈な打撃を一度も喰らったことがないというから、よほどセンスがあるのだろう。ちょっぴり期待が持ててきた。

 じつは勝田には、格闘技デビューのほかにいろいろと聞きたいことがあった。

 そもそも14年前の勝田は、高校野球ファンの間では名前を知らない者はいないというぐらい全国でも名を馳せたスラッガーだった。名将・木内幸雄監督に素質を高く評価され、1年夏からベンチ入りを果たし、その夏には坂克彦(阪神など)、大崎大二朗(元東京ガス)らとともに全国制覇も経験している。

 高校通算本塁打数は31本。その数字自体に派手さはないが、その後プロに進んだ好投手から、打った瞬間それとわかる豪快な一発を放つなど、打者としてのインパクトは絶大だった。当時の高校野球専門誌を開けば、ドラフト候補として大きく取り上げられていたし、あの頃の活躍を思えば、一度もプロの世界に足を踏み入れなかったことが意外なほどである。

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