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阪神・福留の野次にも負けず。
クラブチームの大和高田がジャイキリ達成 (2ページ目)

  • 楊順行●文 text by Yo Nobuyuki
  • photo by Kyodo News

「クラブ野球に関しては、企業よりは相当落ちるやろうな、という印象を持っていました。基本的には大卒を採用するわけですが、当然、プロや社会人の強豪からは声がかからなかった選手たち。実際に現場をあずかると、教えることがたくさんありました。

 ただ考えようによっては、それだけ伸びしろがあるということ。また、大学トップレベルはときとして思い上がりもあるものですが、謙虚な選手ばかりですから、吸収力もあります。だから今では、能力は明らかに企業が上でも、やり方次第では勝つこともできると考えています」

 そもそもクラブチームとは、(公財)日本野球連盟のホームページから一部抜粋すると、以下のようになる。

『社会人野球には、以下の2種類があります。1 会社登録チーム2 クラブ登録チーム 会社や地域、出身校等を背景とした仲間が集まって結成され、その多くは、個人会費や後援会組織、地元自治体等からの支援により運営されています。また、近年は、一企業または複数の企業及びその社員が主体となって、その地元からも広く選手を募集し、結成されたチームもあります』

 つけ加えれば、強豪企業チームなら平日は午後から練習、強化期間ともなると終日練習が一般的だが、クラブチームは各選手が所属企業で終日勤務し、全体練習は週に数日、というのが基本である。

 おもに大和ガスのほか、複数の地元企業に選手が勤務する大和高田でも、平日の練習は月、水、金のみ。水曜だけは15時までの勤務だが月、金は18時までの仕事を終えてからだ。となると、素材にも練習環境にも恵まれた企業チームに勝つのは並大抵ではない。ざっくり言うと、高校野球の強豪私学と県立普通校のような力関係だと思えばいいだろう。

 大和高田は、創部した97年にすぐにクラブ選手権で4強入りすると、0102年連覇を達成。09年には、日本選手権でTDK、三菱重工神戸に勝ってベスト8まで進出し、その実力は企業チームと遜色ないと言われるクラブチームの雄となった。

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