アマの名手が出したグラブの答え。
内野守備のコツは薬指捕球にあり (5ページ目)
ヒット商品が生まれたとあれば、競合他社が黙って見過ごすはずがない。今後、他社が十河モデルに近い商品を開発、販売することも予想されるが、アイピーセレクトにとって脅威ではないのだろうか。
「あまり気にしてはいませんね。僕にとっての十河モデルは、十河さんと意見を共有していくなかで生まれた"意識や感覚"なんです。それを理解してくれる職人さんがグラブに落とし込んでいくことで初めて形になるものなので、いくらマネしようと思っても、細部まではコピーできないと思っています。
それに、十河モデルはまだ"完結"していません。『現代の内野手は大きめのグラブを好む』という意見を基に、十河さんと話し合い、指先を5ミリほどサイズアップしたモデルを今年から加えました。こういったマイナーチェンジだけでなく、もっと大胆に形を変える可能性もありますよ」
現在、十河モデルをベースとしたグラブを使用しているあるプロ野球選手も、「動きが変わる。もう手放せないですね」と太鼓判を押す。今後も増えていくことが予想される十河モデルユーザーに対し、鈴木は最後にこんなメッセージを送った。
「『守備の意識を変えよう』と思っても、今まで教わってきたことが頭に浮かんでしまうことがあると思います。だけど、自然体で十河モデルを使ってもらえたら、いい角度でグラブが出てくる。十河さんの理論を体感するうちに、みなさんの潜在能力が引き出されるはずです。そして『うまくなったなあ!』と必ず実感してもらえると思っています。『自然体で、本能へアプローチする』ことを意識して使ってみてください!」
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