2018.03.23

プロ球団スカウトが密かに目をつけた、
センバツ7人の「隠し球選手」

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 第90回センバツ高校野球大会の開幕が目前に迫ってきた。高校野球ファンはもちろんのこと、プロのスカウトたちにとっても今年のドラフト戦線を占う待ち望んだ大会である。昨年の秋の大会を最後に、ひと冬越えて選手たちはどう変わっているのか? 駅から甲子園に向かう足どりは自然と軽やかになるという。

 すでに新聞や雑誌などでは、断トツの優勝候補として大阪桐蔭が取り上げられ、根尾昂(あきら)や藤原恭大(きょうた/ともに大阪桐蔭)を筆頭に、プロ注目の選手たちの報道もにぎやかになってきた。

昨年秋の神宮大会でも好投した創成館(長崎)の大型左腕・七俵陸 そんな中、プロのスカウトたちには、新聞や雑誌に名前が挙がってはいないが、密かに”記憶の手帳”に刻み込んでいる選手たちがいるものだ。ベテランスカウトのひとりがこう明かす。

「マスコミから大きな文字で取り上げられているのは、昨年夏の甲子園で注目された選手か、昨年秋の大会で活躍した選手のどちらかです。大阪桐蔭の選手たちなんかは、まさにそれに該当しますよね。でも、私たちの”眼”というのは、これからどう伸びていくか……。高校生の場合は、その”伸びしろ”が最優先ですからね。逆に、ちょっといじわるな言い方をすると、いま大活躍している選手というのはここが”ピーク”かもしれない。だから秋までの結果というのは、私たちにとっては参考程度ってことです」

 よくあるケースとして、新聞や雑誌で取り上げられている”大物”の裏に、実は本当の注目株がいることがあるという。

「瀬戸内(広島)では昨年秋の中国大会で1試合4本塁打を放った門叶直己(とがの・なおき)が有名になっていますが、僕はショートの選手が面白いと思っています」

 そう言って、セ・リーグ球団のあるスカウトは、新保利於(しんぽ・りお/178センチ68キロ/右投左打)の名前を挙げた。昨年秋は腰を痛めながらも2番・ショートとして活躍し、チームの主将も務めている。

「見るからに向こうっ気が強そうな、とんがったところが好きですねぇ。最近は小さくまとまった”いい子ちゃん”が多いでしょ。新保くんのような高校生は、ある意味、新鮮ですね。プレーだって、打球に対する反応が素晴らしいし、一級品の強肩は本人も相当の自信を持っていると思います。三遊間の深いところからダイレクトで一塁を刺せるショートは貴重ですよ」