「中村奨成はプロでも中心選手」。
国体で対戦した元プロ監督が太鼓判 (3ページ目)
かつてプロ野球の近鉄バファローズ等でプレーした経験を持つ、その中村監督が中村奨成を称えて言う。
「アマチュアでは彼のようなキャッチャーは見たことがありません。すごい選手になりそうな雰囲気がありますよね。あれを『持っている』と言うんでしょう。甲子園では、記録をつくるために打席に入っているような感じさえありました」
もちろん、中村監督が認めるのは雰囲気だけではない。
「カナダで成績が悪かったようですが、夏の甲子園で6試合を戦ったあとの大会ですから、それだけで評価するのは酷ですよね。甘い球を逃さず、しっかり仕留めるバッティング。守備では、ボールを捕ってからが速いし、肩も強い。それに、足も速い。三拍子が揃っているうえに、長打も打てて、チャンスにも強い。プロでも、チームの中心選手になれそうな感じがします。高いレベルで活躍するためには、運を味方につけることも大事になりますね」
中村が強運の持ち主であることに異論のある人はいないだろう。夏の甲子園では、チャンスで中村に打席が回り、それをことごとくモノにしてきたのだから。
現代の野球では、キャッチャーには専門性が求められる。打てなくてもしっかり守れればそれでいいという風潮がある。しかし中村はごく稀に出現する、そんな風潮を覆す選手──打てて守れて走れるキャッチャーになれるはずだ。「中村奨成のようになりたい」という子どもたちが、こぞってキャッチャーミットを構える日が来るかもしれない。
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