外国人がクルクル三振。侍ジャパン・田浦文丸の魔球に世界がたまげた

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 内ヶ崎誠之助●写真 photo by Uchigasaki Seinosuke

 カナダのオンタリオ州サンダーベイで開催されているU-18ワールドカップのスーパーラウンド初戦――オーストラリアと対戦した高校日本代表は、3対3で突入したタイブレークの末、11回裏に安田尚憲(履正社)のセンター前ヒットで走者を生還させ、勝利した。

 ややこしい大会レギュレーションの詳細は省くが、予選リーグでアメリカに敗れている日本は、残るカナダ、そして宿敵・韓国との試合に勝てば、9月10日の決勝進出が濃厚だ。

 小枝守監督は「ピッチャー陣が踏ん張ってくれた」と話し、自身は3打数無安打に終わった清宮幸太郎(早稲田実業)も「負ける気はしなかった。チームがひとつになった感じがする。日本代表に来て、今までで一番楽しかった」と振り返った。

チェンジアップを武器に予選リーグから好投を続ける田浦文丸チェンジアップを武器に予選リーグから好投を続ける田浦文丸 ここまでの全6戦で日本のMVPを首脳陣や選手に選ばせたら、誰もが田浦文丸(秀岳館)の名を挙げるだろう。予選リーグではアメリカ、キューバ、オランダという強豪との3試合で途中登板し、全9イニングを投げて、奪った三振は19、失点は0だった。

 そして、オーストラリア戦ではタイブレーク突入後の11回表にマウンドに上がり、設定された無死一、二塁の状況を無失点で乗り切り、その裏のサヨナラ勝ちにつなげた。

「正直、緊張していて、迷いもあった。キャッチャーの古賀(悠斗/福岡大大濠)が『自分のピッチングをしてこい』と言いに来てくれて、それに助けられました。やっぱり、(リリーフとしての)責任があるので......」

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