早実・清宮に「脅弾」を浴びた八王子・米原大地が笑顔でいられたわけ
マウンドで思わず笑みがこぼれた。
「正直、自分では投げ切れたと思ったので。それがここまで飛ぶんだなと。やっぱりすごいバッターだなと思ったら、自然と笑顔になっていました」
八王子のエース・米原大地(よねはら・だいち)は晴れやかな表情で「脅弾」を振り返った。
西東京大会準決勝の早実戦で先発した八王子のエース・米原大地 早稲田実業が2対1とリードして迎えた7回表。先頭打者として打席に入った清宮幸太郎は、カウント2ボールからの3球目、外角に沈むチェンジアップを強く捉えて左中間に弾丸ライナーを放った。
「清宮シフト」で左中間に守っていた八王子のレフト・初鹿野滉平(はつかの・こうへい)は最初にそのライナーを見た瞬間「捕れる」と思ったという。
「この弾道なら入らないと思いました。レフトライナーだと思って待っていたんですけど、打球が速いし、全然落ちてこないんです」
ライナーはそのまま神宮球場の左中間スタンドに突き刺さった。清宮の高校通算107号本塁打は、後世まで語り継がれそうな衝撃的な一打になった。清宮は試合後、ホームランをこのように振り返っている。
「(2球目に)インコースの真っすぐがきたので、次はチェンジアップだなと。ここ(八王子)に勝つんだとずっとチームで言ってきて、自分も『あと5メートル』と思ってやってきたので。個人としてもチームとしても次につながる1勝になりました」
あと5メートル──。
それは昨夏、八王子と早実の運命を分けた距離だった。
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