ドラフト最後のチャンスへ。阪神・糸原の同級生が打率5割超の大爆発 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kyodo News

「大学では、自分の形を崩してまで『ゴロを打って走ろう』というバッティングでした。でも社会人では、どんなボールに対しても自分のスイングをしてアタックすることにこだわっています。僕の体(169センチ69キロ)では、パワーだけでは飛びません。体重を増やそうと思っても、ショートとして動きやすい体を維持しないといけない。だから『瞬発力』を高めようと思って、トレーニングを積んできました」

 メディシンボールを投げるなど、一瞬で最大の力を発揮できるスイングづくりに取り組んできた。その効果は打撃のみならず、守備・走塁にも好影響をもたらしている。こうして社会人で大きな進化を見せた福田だが、昨秋のドラフト指名漏れはどのように受け止めているのか。本人に聞いてみると、福田は当時の心境を静かに語り始めた。

「プロに行くことは夢です。でも、スカウトの目は僕が操作できることではありません。1試合、1試合を戦ったなかで評価してもらえたら、それは嬉しいことですけどね。プロには行きたかったけど、もう戻ってこないこと。そのときはスパッとあきらめて、秋の日本選手権に集中しました」

 福田の口ぶりから昨年だけでなく、今もプロへの思いにフタを閉じているようなニュアンスを感じ取り、「今年もチャンスはあるのでは?」と聞いてみた。すると、福田は「ありますかねぇ......」とつぶやき、「それは行けたらいいですけど、やっぱりそこは僕には操作できないので」と続けた。

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