2016.08.17

160センチの大エース、
日南学園・森山弦暉は「怪物」に迫れるか?

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

「そうですね、僕が一番小さいキャプテンでしょうね。でも、今までも慣れていることなので、気にしていません」

 開会式が終わると、各メディアが全49代表校の主将にインタビューできる時間がある。甲子園球場の一塁側室内練習場に大勢の主将と報道陣がごった返すなか、一際小柄な主将がひっそりとたたずんでいた。

エースで主将を務める日南学園の森山弦暉 森山弦暉(もりやま・げんき)。身長160センチ、体重65キロ。日南学園(宮崎)の主将であり、絶対的なエースでもある。今夏、身長180センチを超える長身の本格派投手が勢ぞろいする中、森山の存在は異色と言えた。

 だが、森山には「身長」がコンプレックスになったことが、まったくないという。

「小さいなりにできることはありますから。自分の持ち味はコントロールで、それを最大限に生かせれば戦える。これまでもそうしてやってきましたから」

 小学生の頃から名の知られた存在だった。小学6年時にはエースとして全国大会(全日本学童軟式野球大会)でベスト4進出。現在、日南学園でショートを守る石嶋友翔は森山のことを「ずっと有名でした」と証言する。

 幼い頃から培われた勝負度胸と成功体験。そうした下地があったからだろう。森山はたとえ身長が低くても臆することなく、高校野球で台頭してきた。今春はセンバツに出場し、明石商に初戦で敗れたものの3失点と好投。今夏の宮崎大会は貫禄の投球で、甲子園春夏連続出場の立役者になった。