2016.07.01

離島同士の初戦。八重商に阻まれた八重高の甲子園への挑戦は続く

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • スポルティーバ●写真 photo by Sportiva

遥かなる甲子園~八重山高校野球部物語(後編)

 石垣島という離島から、甲子園を夢でなく目標として捉える、2つの高校――。

 全国の離島勢としては初めて、勝ち上がっての甲子園出場を果たした八重山商工(八重商)と、この30年の間、甲子園まで何度も近づきながらどうしても届かない八重山高校(八重高)。

 今年の6月18日、夏の甲子園を目指す沖縄大会で、両校は初めて直接、相まみえることとなった。

八重山商工に敗れ初戦敗退となった八重山高ナイン

 八重商と八重高。

 朝早くから、夜は9時過ぎまで八重商の練習は続く。最近は丸くなったとは言え、激情型の伊志嶺吉盛監督、62歳の今も指導者としての愛情表現は依然として若さを失うことはない。一方、午後7時半までには学校を出なければならない八重高は、野球をやりたいだけやるというわけにはいかない。ともに公立校ではあるが、教諭ではない伊志嶺監督に人事異動はなく、八重高は沖縄のほとんどの公立高校と同じように監督はしばしば変わる。今年限りでの勇退を決めている伊志嶺監督は今年が13年目になるが、仲里監督は今年が7年目で、来春の異動は避けられないという話も聞く。そんな両校の野球部は、沖縄の中では両極端なカラーだと言える。

 甲子園に行きたいなら八重商、大学へ行って将来、高校野球の監督になるなら八重高。

 名物監督のもとで厳しい練習に励む八重商、制約ある環境の中で全員野球を目指す八重高。

 そんな両校が沖縄大会の1回戦で激突した。

 八重山-八重山商工。

 甲子園を夢で終わらせない離島勢のいきなりの直接対決は、全国的にも注目を集めていた。試合は5回を終わって0-0。序盤、押しながら得点できなかった八重高に対し、凌いで粘って後半を迎えた八重商。試合は6回に突入する。