「とにかく焦るな」。リハビリに苦闘した斉藤和巳が松坂大輔に贈る言葉

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 時事通信フォト●写真 photo by Jiji Press Photo

 平成の怪物、松坂大輔。4月中旬以降は2軍戦で約1週間に1度のペースを守り、マウンドに立ち続けている。復活への足音は、わずかずつその力を増しているが、5月14日のウエスタンリーグ広島戦では2回をもたずに9失点するなど、まだ前途は険しそうだ。

1軍復帰に向け、2軍で登板を続ける松坂1軍復帰に向け、2軍で登板を続ける松坂 かつて、全盛期の怪物右腕と互角以上にわたり合った大投手、それが元ソフトバンクのエース、斉藤和巳だった。同じ時代のパ・リーグでマウンドに立ちながら、沢村賞2度を含め「獲れるタイトルはほぼ獲った」。
 
 そんな斉藤は言う。
「大輔は今、ボクが所属したホークスのユニフォームを着ている。縁があると、自分では勝手にそう思っている(笑)。何をもって『復活』というのかはわからへんけど、大輔が試合に投げるだけでプロ野球全体が盛り上がる。そんなピッチャー、今の日本球界でごく一部や。ひと握りもいない。ボクも、大輔の復活を楽しみにしています」
 
 そして、斉藤ならではの語り口調で、松坂復活への激烈エールを送った。


 今年の大輔のピッチングは、去年よりエエなと感じてます。気になっていたのはフォームでしたが、今年はバッターに対して向かっていくことができている。右肩の状態もだいぶイイんやろうなと感じました。
 
 ただ、今年もまだ開幕からずっと2軍。それに対して周りはアレコレ言います。結果を求めたくなる。あれほどの存在やし、たしかに言われて当然な立場ですよ。

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