フロンターレの株がさらにUP。レアンドロ・ダミアンは何がすごいか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 とはいえ、川崎の強さは継続性だけに支えられているわけではない。今季新たに加わったストライカーの存在が、「川崎、強し」の印象を強く与えたのは間違いない。

 この試合で決勝点となる貴重なゴールを決めた、FWレアンドロ・ダミアン(インテルナシオナル/ブラジル→)である。

フロンターレの新たな助っ人、レアンドロ・ダミアンフロンターレの新たな助っ人、レアンドロ・ダミアン 身長188cmのブラジル人ストライカーが川崎にもたらすメリットを挙げるとすれば、MF中村憲剛が「うちが使いたいスペースを埋めてくる相手に対しては、上(空中戦)が有効になる」と語るように、まずは高さである。

 あいさつ代わりの決勝ゴールも、左サイドからのクロスを自ら正確にヘディングでゴール前に落としたことから生まれたものだ。DF谷口彰悟は「クロスに対してもそうだが、ちょっと困ったときの(ロングボールの)ターゲットにもなれる。新しいオプションとして(攻撃の)幅を広げてくれる選手」と、頼もしい新助っ人を絶賛する。

 とはいえ、レアンドロ・ダミアンは、ブラジル人選手らしく足もとの技術にも長けており、前線でのポストプレーも巧みにこなす。この試合でも何本もの縦パスが、背番号9の足もとに向かって放たれ、それを"スイッチ"に川崎の攻撃がスピードアップしている。

 従来の川崎は、どちらかと言えば、機動力のあるタイプの選手を前線に並べることが多かった。これによって生み出される流動性が、川崎の武器でもあった。

 しかし、流動性はときに秩序を失い、とりとめのない渋滞を引き起こすこともあった。選手個々は何とか相手ディフェンスを破ろうと必死なのだが、それがむしろチームとしてのバランスを崩し、手詰まり感を漂わせる結果になってしまうのだ。

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