躍進の札幌、ペトロヴィッチ監督の指導法。褒めるミスと叱るミスがある
オープンな物腰と独特の感性、攻撃的なスタイルは人を惹きつける。パスとジョークをこよなく愛し、発する言葉は時に哲学的に響く。
日本に来て13年目を迎えた"ミシャ"こと、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督に関するこんな寸評を書いたことがあるが、旧ユーゴ出身のこの指導者との会話は実際に面白い。
札幌の指揮官として2季目を迎えるペトロヴィッチ監督 現在61歳の指揮官は昨季、コンサドーレ札幌の監督に就任し、1年目にチームをクラブ史上最高位となる4位に導いた。これまでJ1を一桁順位で終えたことがなく、過去10年でJ1を3シーズンしか戦ったことのないクラブにとって、目覚ましい快挙である。
このオフには昨季の主力を務めたふたり、都倉賢はセレッソ大阪へ移り、期限付きで所属していた三好康児(現横浜F・マリノス)が契約を満了。代わりに鈴木武蔵やアンデルソン・ロペス、岩崎悠人や檀崎竜孔を獲得するなど、動きのあるプレシーズンを過ごした。
新シーズンは当然、さらなる高みを目指し、惜しくも逃したAFCチャンピオンズリーグ出場権の獲得を狙う。ミシャのもとで急成長したチームが勢いを持続させてその目標を達成するには、何がカギになるのか。
バレンタインデーに開催されたJリーグキックオフカンファレンスで、ペトロビッチ監督自身に見解を尋ねた。
「今日はその質問を何度も受けたよ。札幌の強さはチーム力だと私は捉えている。うちにはスーパースターがいるわけではないからね。チームとして戦うことを忘れず、引き続き去年と同じように一丸となること。それが重要なポイントだ。
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