【自転車】片山右京が過去の挑戦と比較。ロードレースの難易度は? (2ページ目)

  • 西村章●構成・文・写真 text & photo by Nishimura Akira

 クルマを操作する愉しさがよく伝わってくる文章だ。そしてなにより、第一線を退いてすでに長いとはいえ、やはりこの人は根っからのレーシングドライバーなのだなと読み手に感じさせる何かがある。

 周知のとおり、1997年シーズンいっぱいでF1を退いた片山は、1998年にル・マン24時間レースで総合9位、翌1999年には上述のとおり総合2位という成績を残した。その後はダカール・ラリーなどにも参戦し、現在はSUPER GTでチーム監督としてGOODSMILE RACING & TeamUKYOを率いている。また、モータースポーツ以外の分野でも、登山やマラソン、自転車ロードレースにも挑戦。2012年に始動したロードレースチームの活動については、当コラムで毎週の連載記事として密着取材を継続している。

 SUPER GTでは、GOODSMILE RACING & TeamUKYOはチャンピオンを獲得した。登山活動は、キリマンジャロ(アフリカ大陸最高峰)やチョ・オユー(世界第6位)、マナスル(世界第8位)などの登頂に成功しているが、世界最高峰のエベレストはいまだその頂点を踏めていない。自転車ロードレースの活動では、国内シリーズ戦のJプロツアーで年間総合優勝を達成しているものの、彼らが最終目標に掲げるツール・ド・フランス参戦については、どれほど手を伸ばしてもまだ遙か彼方にあるのが現状だ。

 モータースポーツや過去の各種競技の挑戦と比較して、現在の自転車ロードレース活動はどれくらい達成が困難で、難易度の高いものと片山は感じているのだろう。

「すごく大変です、という言い方もできるし、たぶん簡単ですよ、という言い方もできる」

 そう言ってひと呼吸置き、少し照れたような笑みを浮かべた。

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