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【自転車】TeamUKYO初代主将が語る「3年間の成長度」 (2ページ目)

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira  五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

 狩野と土井は、土井が大学を中退してシマノレーシングに加入したころからの知己である。欧州でも生活をともにしていた時期があり、その当時からの信頼関係がTeamUKYOでも大いに活かされることになった、というわけだ。

 チーム設立3年目の2014年、狩野は引き続きキャプテンとして全体をまとめる任にあったが、レースに出場する回数は減少した。

「チームの戦力が向上したので、外国人選手に活躍してもらいながら、僕はどちらかというとUCIレースよりも、Jプロツアーで若手を指導するような役割になっていきました。右京さんも若い選手たちにたくさん経験をさせてあげたいと考えていただろうし、おそらく僕にもその役割が期待されていたんだと思います。だから、ツアー・オブ・ジャパンはメンバーから外れたけれど、翌週のツール・ド・熊野には参戦するというような形で、土井のいないレースには僕が出て、僕が出ないレースは土井に任せていました。

 土井とはもう十何年も一緒にやっているから、トレーニングやレースで必要なことを僕がいまさら言うまでもないし、僕自身もみんなと連絡しあってコミュニケーションは取れていました。だから、キャプテンとしての仕事は十分に果たせたんじゃないかな」

 2014年のTeamUKYOには、中央大学の山本隼と、法政大学の湊諒が加入してきた。ともに大学では自転車部に所属しながら、TeamUKYOの経験豊富な先輩たちに囲まれて研鑽を積んだ。ふたりは今春に大学を卒業し、プロ競技者としてTeamUKYOで2年目のシーズンを迎える。昨シーズン、キャプテンとして彼らの成長を見守ってきた狩野は、両選手の特質をこんなふうに評する。

「ふたりとも、いいものを持っていると思いましたね。山本は大学1~2年生のころから、ヒルクライムならナンバーワンじゃないかという評判で注目していたんですが、ヒルクライムだけじゃなくて、スプリントもできてスピードもあるし、ロードレースに対するセンスも良くて、学生離れした冷静で的確な判断力を持っていました。昨年、僕らが欧州遠征に行っているときも、アンダー23の日本代表で海外のレースを走ってきたので、かなりの経験ができたと思います。

 一方、湊も能力は高いんですが、国際レースでの経験はまだ少ない。でも、チームは彼に期待していて、ツール・ド・おきなわのメンバーにも選ばれました。経験不足はこれから自ずと埋まっていくことだし、ふたりとも大学を卒業した今年からは合宿やレースに集中できるので、大きくブレイクするんじゃないでしょうか。これからの日本を代表する選手に成長してくれると思いますよ」

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