2015.01.05

【自転車】片山右京×今中大介「日本の国力を強くしたい」

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira TOBI●写真 photo by TOBI

遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第38回】

 2015年、TeamUKYOを率いる片山右京は、自転車ロードレース界に挑んで4年目のシーズンを迎える。「ツール・ド・フランス参戦」を目標に掲げる片山にとって、今年はどんな想いでシーズンを戦おうとしているのか――。日本人選手として初めて近代ツール・ド・フランスを走った今中大介氏をゲストに迎え、TeamUKYOの将来、そして自転車競技の未来について語り尽くした対談を、4回にわたってお送りする。

(前回のコラムはこちら)

今中大介(左)と片山右京(右)が自転車に対する熱い想いを語り合う片山右京×今中大介対談 【第1回】

――まずは2014年の話からうかがいたいと思います。どんなシーズンだったと総括できますか。

片山 2014年を振り返ると、悪くなかったと思うし、また一歩前進したけれど、その歩幅はすごく小さく、むしろここから先に大変なことがたくさん待ち受けている、と知ってしまった年でした。TeamUKYOはJプロツアーの個人部門で2年連続・総合優勝を獲得したものの、「チームの結束」という点では、明らかに宇都宮ブリッツェンに及ばなかった。だから、もしも自転車の神様が存在するとしたら、彼らにチーム部門での総合優勝を与えたのは当然だったと思います。やっぱり、自転車って、「チーム」が機能していないとダメじゃん、ってことをものすごく感じた。その大変さの欠片(かけら)が分かった今、実は恐怖におののいているんですよ。

今中 「チーム」と「個人」ということでいえば、ヨーロッパの場合はサッカー競技と一緒で、各地域の育成環境がすごくうまくできあがっていて、(競技を)リタイアしたおじいちゃんが子どもたちに教えていたりするんです。そこで、子どもたちが青年へと成長していく過程で、調和を保つことの大切さや、チームとして機能することの重要性、あるいは、ときに闘争心をむき出しにして戦わなきゃいけない場合もあるんだとか、そんなことを自然と身につけていく。

 その子どもたちの中から優れた資質を持った選手が、やがて若者になって、もっと大きな地域のチームや、スポンサーがついているアマチュアチームで走るようになり、そしてその先には、雑誌やテレビに登場するようなプロチームがある――。そんなふうに、才能のある人材がいろんなことを学びながらステップアップしていく過程が確立しているんですよ。たとえば、モータースポーツだと、モータリゼーション(自動車の大衆化)の発達と平行する形で、日本でも50年くらいの歴史があるわけでしょう?