2014.09.22

【自転車】片山右京「ツール参戦までにクリアすべきこと」

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira photo by AFLO

遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第23回】

 1996年に今中大介が日本人として初めて近代ツール・ド・フランスを走ってから、18年が経つ――。その間、別府史之(31歳/トレック・ファクトリー・レーシング)と新城幸也(30歳/チーム・ユーロップカー)、ふたりの日本人選手が今中に続くものの、純日本国産チームがツールに参戦した例はない。片山右京の掲げる「ツール・ド・フランス参戦」という目標は、自転車ロードレースを長年取材しているジャーナリスト・山口和幸氏の目にどう映っているのか?

(前回のコラムはこちら)

1996年のツール・ド・フランスに参戦した今中大介 4半世紀に渡ってツール・ド・フランスの現場に通い続けるジャーナリスト・山口和幸氏にとって、日本人選手の活躍を期待しながら取材できるようになったのは、別府史之、新城幸也の両選手が参戦した2009年以降のことだ。

「昔は日本人が走っていなかったので、欧州のジャーナリストたちから、『なぜ取材に来ているの?』と冗談半分でよく訊ねられましたよ。悔しかったですね」

 と、山口氏は当時を思い返して笑う。日本人として初めて近代ツールを走った今中大介氏の参戦は、1996年。山口氏が所属していた出版社から独立してフリーランスになり、全ステージ取材を開始する1年前のことだ。

「あの当時と今を比較すると、現場に入る際の、『今日のステージで日本人が表彰台に立つかもしれない……』という期待感は、比べものにならないですね。だから、ここ最近は中国人ジャーナリストたちに、『なぜ取材に来ているの?』と訊ねているんですよ(笑)。でも、そんなことを言っているうちに、今年は中国のジ・チェン選手(チーム・ジャイアント・シマノ)が出場して活躍しましたから、今年のツールはきっと何億もの中国の人たちがテレビで観戦しただろうし、その映像を見て自転車競技を始める人も増えると思います。彼らが台頭してくる前に、なんとしても日本人選手には(ツール区間)1勝を挙げておいてほしいところですね」

 そんなふうに、長年に渡って世界最高峰の自転車レースを取材し続けている山口氏の目に、片山右京の掲げたツール・ド・フランスへの挑戦は、いったいどう映っているのだろうか。