【自転車】片山右京「チーム初の欧州レースで得られるもの」
遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第11回】
若手も徐々に成長し、着実に戦力アップを果たしているチーム結成3年目のTeamUKYO。今年5月には本場欧州の強豪チームを相手に戦い、そして今夏、チームは新たな挑戦に挑む。片山右京が見据える将来のビジョンとは――。
2014年の片山右京は新たに活動範囲を広げようとしている 7月は、将来のTeamUKYOの活動にとって、ターニングポイントの1カ月になるかもしれない――。
チーム誕生以来、初めて、ヨーロッパのレースに参戦するのだ。
まず、7月25日にスペインで「ビアフランカ・オルディシアコ[1.1(※)]」というレース、そして翌週には7月30日から8月10日までポルトガルで「ボルタ・ア・ポルトガル[2.1(※)]」に参戦する。
※数字前列の[1]はワンデーレース、[2]はステージレースを表し、後列の数字はレースのレベルを示している。詳細は「説明ページ」を参照。
レース格式を見ればわかるとおり、前者はワンデーレースで、後者がステージレース。ともに、クラス1だ。これらのレースには、当然ながらプロツアーチームや強豪プロコンチネンタルチームが続々と参戦する。
「僕たちのチームの位置づけとしては、重要なレースというよりも、むしろ勉強をしに行くようなスタンスです。だって、向こうの関係者からは、『おまえらが来ても、15分で(レースの集団から)いなくなるぞ』と言われているくらいですから」
と、片山右京は冗談めかして話す。
とはいうものの、選手たちは本場のレースがまったくの未経験、というわけでは決してない。
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著者プロフィール
片山右京 (かたやま・うきょう)
1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。