【自転車】片山右京「チームを買収して強くなっても意味がない」
遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第10回】
結成2年目でJプロツアー年間総合優勝を果たし、3年目の今年は他チームから追われる立場となったTeamUKYO。しかし、チームを率いる片山右京の眼差しは、日本だけに留まっていない。今春、本場欧州の強豪チームと戦った片山右京は、チーム全体の力が高まっていることを実感したという。
チームを強くするためにはどうすればいいか、己の哲学を語る片山右京 7月を目前に控え、サイクルロードレースのシーズンはいよいよ佳境にさしかかる。Jプロツアー(解説ページ参照)は第9戦を終えて、選手ランキングではTeamUKYOのリカルド・ガルシアが依然として首位の座をキープしている。チーム部門でも、TeamUKYOは宇都宮ブリッツェンと2強状態で、激しい首位争いが続く。
UCIアジアツアーには、4月のツール・ド・フィリピン、5月のツアー・オブ・ジャパンとツール・ド・熊野、そして6月17日から22日まで行なわれたツアー・オブ・イランに参戦した。ツアー・オブ・イランでは初日のステージで窪木一茂が3位に入り、2日目には個人総合2位に浮上。続くステージでもさらなる活躍を期待させたが、4日目に関係者車輌との接触が原因で落車し、負傷。残念ながら以後のステージはリタイアを余儀なくされたが、高い資質と可能性は存分に披露したといえるだろう。レースは、土井雪広が総合10位、TeamUKYOはイラン勢に割って入りチーム総合5位を獲得した。
ここまでのJプロツアーやUCIアジアツアーレースの結果と内容について、チームを率いる片山右京は、「まずまずの戦いぶりだった」と振り返る。
「目標よりは少し出遅れた感はあるものの、総じて悪くないと思います。ここからがホントの意味での巻き返しですね。開幕前には、『今年のJプロツアーは勝って、勝って、勝ちまくる。容赦ないくらいの強さを発揮する』と宣言しましたが、個人ランキングでは首位を維持できているし、チームランキングでも(宇都宮)ブリッツェンとごくわずかなポイント差だから、次のレースで逆転できるでしょう」
UCIのアジアランキングでも、TeamUKYOは日本勢で、ヴィーニ・ファンティーニ・NIPPO・デローザ、愛三工業レーシングチーム、ブリヂストン・アンカーに次ぐ4番手につけている。各チームは参戦するUCIレースがそれぞれ異なるために、シーズン中の順位は絶えず変動する。
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