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【新車のツボ161】N-VAN。前代未聞の
おひとりさま専用ホビーカー (3ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真 text & photo by Sano Hiromune

 ただ、フロントにエンジンルームが備わるFFでは、室内前後長だけは尻下・床下エンジン車よりどうしても短くなる。だから「今どおりに、○○が縦に積めない!」といわれてしまえば「他社バンをどうぞ」と答えるほかないのだが、ホンダは「そういう用途はごくわずか。それよりもFF化によるメリットのほうが大きい」と決断してN-VANをつくったのだ。

 N-VANを含むNシリーズのメリットは尻下・床下エンジン車より、床が圧倒的に低くて、しかもフラットなことだ。N-VANはそのツボを最大限に生かすべく、運転席以外の全シートが床にベッタリと収納できるようにして、さらにボディ左側が完全に開けっぴろげ......となるピラーレススライドドア構造とした。長く大きい荷物が横からも放り込めるのは、想像するだけでも便利そうだ。

 この種のお仕事グルマを、あえてプライベートなホビーカーとして使う趣味人が世には確実に存在するが、N-VANを見て「あれもこれも積める、あんな風にも使えそう!」と想像力をさらにたくましくした人は少なくないはずである。なるほど、ここまで猛烈に大面積がフルフラットになれば、たとえば複数台の自転車やオフロードバイク、マリンスポーツなど、これまで軽が使えなかった大荷物趣味にも、N-VANが活躍できる可能性が高い。

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