【新車のツボ161】N-VAN。前代未聞の
おひとりさま専用ホビーカー (2ページ目)
N-VANのスタイリングは一見すると、同じNシリーズの乗用スーパーハイトワゴンのN-BOXによく似るが、それも当たり前だ。N-VANは下まわりの基本メカニズムにN-BOXと共通のフロントエンジン前輪駆動=FFプラットフォームを使っている。同じメカレイアウトを使いながら、同じ軽サイズで室内空間を最大限に......という同じ思想でデザインすれば、カタチのツボが似るのは必然である。
しかし、ボディパネルからガラスも含めた実際のN-VANの外装部品に、N-BOXとの共通部品はほとんどない。事実、2台をならべてみると、N-VANのほうが背が高く、より四方が切り立った真四角な形をしており、各部のガラスもほぼ真っ平らに近い。
トランクに重い荷物を積んで後傾姿勢になると、FFではどうしても駆動力で不利になってしまう。なので、N-VANも荷物満載時に「雪道でスリップしたり、坂道をのぼれなくなるのでは?」と不安になる向きもあるはずだが、「入念なテストの末に問題なしと判断した」と開発陣は胸を張る。FFがどうこう以前に、タイヤをボディの四隅ギリギリまで追いやったNシリーズのプラットフォームでは、そもそも荷物を満載しても後傾姿勢になりにくいらしい。それでも不安なユーザーのために、ヘビーデューティな使い方に耐えられる4WDシステムも新開発するスキのなさだ。
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